映画レビュー 「白夜行」※映画版

 

白夜行

タイトル:白夜行

上映:2011年

主演:堀北真希(雪穂), 高良健吾(桐原亮司), 船越英一郎(笹川)

上映時間:2 時間29 分

主題歌 「夜想曲」/珠妃

 

白夜行ストーリー

廃屋の密室のビルの中で質屋の男が殺害される事件が起きる。容疑者が事故や自殺で死亡し、事件は解決済みとなるが、刑事の一人は不可解に思い捜査を続ける。

自殺した容疑者の一人の娘、西本雪穂は、事件後遠戚の養子となり唐沢雪穂として成長して行く。雪穂は、美貌と才覚でどんどん上流家庭に取り入って行く。その過程で雪穂の邪魔になりそうな人物は悉(ことごと)く襲われたり殺害されていく。

雪穂の秘密は何なのか?子供時代に一緒に過ごした桐原亮司 という男の存在が浮かび上がる。

 

白夜行を観た感想

前提ですが、数年前に一度映画版を途中から見ていて、その時に内容をネットで調べています。なので、流れをある程度わかった上での2回目の視聴。ドラマ版の「白夜行」は見ていません。

※以下ネタバレだらけです。

最後まで観て演出を理解しての話ですが、

貧しい家庭で育ち、子供なのに客引きまでさせられていた雪穂は、母親を憎み、自分は絶対裕福になるという決心をしていたのでしょう。母親を自殺にみせかけて殺したのも実は自分たちだったという。

そして、邪魔になる存在を桐原亮司に知らせ、桐原亮司は雪穂を影から支える存在に徹します。

この二人、こっそり合っていたのかと思えば直接は合わず、一緒に過ごした児童相談所の人形の数珠をモールス信号にして、連絡を取り合っていた・・・。

 

ちなみに、雪穂と結婚した上流家庭の旦那は雪穂の裏の恐ろしさに気付き(探偵が殺される)、家にひきこもりになってしまいます。ここはちょっと面白いですが、それだけの畏怖が堀北にあるという意味でしょうね。

 

成功をどんどん手に入れていく雪穂。その野望が成就仕掛けた頃に、必死に調べていた笹垣がついにすべての真相に辿り着きます。

非常に切ない話です。

桐原亮司の最後の回想場面を見ていると桐原亮司も葛藤しながらも雪穂のために冷酷な殺害を実行していってたのでしょうね。

最高に切なかったシーンは、雪穂が成功の証としてオープンさせる新ブランド店でドレス姿を窓に写した時に、窓越しに桐原亮司を見つけ「(ありがとう)」と微笑むシーンです。大人になってから始めて会ったのかと思うと切なすぎます。

白夜行 堀北真希 名シーン

桐原亮司は、この雪穂の笑顔を見て、もう自分の役割は終わったと確信し、すべてを背負っての自殺を決意したのかもしれません。

 

そして桐原亮司の自殺で少し動揺しつつもそれを押し隠し店に戻り、自分のこれからの成功にとって大切なスポンサーのおじさんに最高の笑みを向ける雪穂というか堀北真希、色んな意味で凄まじ過ぎます。

「霧の旗」と並び、「白夜行」も堀北真希の天下無双の魔性の女優力を語る上で欠かせない逸品でしょうね。これを見ずに堀北真希さんの魅力は絶対語れません。

この映画版の評判はドラマ版と比べられあまりよくないようですが、たしかに初見1回見ただけでは、複雑な人間関係が頭に入らず内容が入ってきません。2時間映画故の限界もあると思うので、時間ある人は2回見てください。ラストシーンの亮司の回想、二人の子供時代の描写がどれだけ多くのことを語っているか気付くはずです。

 

【白夜行の独自評価(★5段階)】

サスペンス性:★★★★

堀北真希の神秘性:★★★★★

堀北真希の妖艶性:★★★★★

 

 

私的メモ:最終場面のロケ地は、松本市の結婚式場アルモニービアン

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