映画レビュー「冷たい熱帯魚(COLD FISD)」

映画 冷たい熱帯魚

作品名:冷たい熱帯魚(COLD FISH)

制作:2010年

監督:園子温

主演:吹越満/でんでん/黒沢あすか/神楽坂恵/梶原ひかり/渡辺哲

上映時間:上映時間:2 時間, 4 分

備考:

制限:R18+

 

冷たい熱帯魚ストーリー

小さな熱帯魚店を営む社本は、再婚が原因で娘との仲は最悪、妻からの愛情も薄れ、パッとしない生活を送っていた。そんなあるとき、豪快に金をかけて熱帯魚店「アマゾンゴールド」を経営する村田と知り合い、強引に付き合いがはじまる。この村本は表向きは、やり手で豪快な商売人だが、裏の顔は30人以上を殺した計画的殺人犯だった。

豹変した村田に取り込まれ逃れられなくなる社本。村田はどんどん周りの人間を金のために消していく。いずれ自分も消されると社本も気づくが、気弱な性格が禍し逃れることができない。

 

冷たい熱帯魚の感想

以下、ネタバレを含みます。

主役の熱帯魚店の男性は、おぎやはぎのやはぎさんに見えてましたが、吹越満さんですね。

社会で普通に生活している中に、実は冷酷で計算高い連続殺人はが潜んでいても周りが気づかないという状況は考えさせられますね。尼崎の監禁事件しかり、組織的・計画的に家族に近づき、暴力と精神攻撃で追い詰めて言うことを聞かせ、抜け出すことができない共犯者に仕立てていく・・・。

村田は、一見、やり手で元気の豪奢なおじさんにしか見えないが30人以上を殺害している凶悪殺人犯。この村田を演じる演者、「でんでん」さんの演技は、素に近いのかどうか知りませんがなかなか見ものです。すごい役者さんですね。

この村田に取り込まれていく平凡な人生を送っていた社本ですが、結局逃げるチャンスはいくらでもあったのだけれど、それが決断できない人間性を村田が見抜いてターゲットにしたんだろうな、という。

リアルでの犯罪者の取り込みきもそういうことなんでしょうね。

残虐なシーンがでてきますが、予想できますので画面を直視はせず、目の視界周辺で鑑賞しました(^^;。

ストーリ展開として、冷酷で狂った殺人者の村田夫妻とそれに逆らえない気の弱い社本という構図はいいのですが、そこに社本のぎくしゃくした家族関係を入れている部分には無理矢理感があり、あまり意味を感じませんでした。結局みんな狂っているということだったのかもしれませんけど。

最後、社本が不甲斐ない自分への鬱憤が爆発し覚醒し、おどおどした男から凶暴な男に変貌します。本心を語らない社本の本当の気持ちを表現したのかな。村田のやられ方はちょっとあっさりし過ぎな気もしますが。

最後は社本が暴走しバッドエンド気味に終わります。

ウケを狙って映画を作る必要はないですが、罪を重ね過ぎて追い詰められていく村田夫妻と社本の葛藤と行動で掘り下げて結果を出したほうが、映画としてはまだ救いがあるよう思えます。

事件のサスペンス性というより狂気性を題材にした映画かなぁ。

見終わった感想として、高揚感や感動はなく、「うーん・・・」という感じですね。

なお、園子温監督自身も後日談で、村田が死ぬシーンをラストにてもよかった的なことを仰ってはいるようですね。

 

 

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