世の中には不合理的なことが堂々とまかり通っている事例がいくつかありますが、その一つがNHK(日本放送協会)の受信料強制徴収問題です。
1 NHKの受信料強制徴収問題の端緒
NHKはテレビがあればNHK受信料を払うのが当然として、テレビのある家庭から受信料を取ります。
これは、「放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」という放送法第64条の規定にもとづくものです。なので法的な正当性は一応確保されています。
しかし、法律に根拠があるといっても、テレビがあるだけで、NHKを全く見ない人、見たくない人からも強制的に受信料を取れるってどうなの?そんな不合理な法律がなんであるの?というのがこのNHK受信料徴収問題の議論の端緒になります。
2 NHKの言う「受信料負担の公平性」は詭弁
NHKを見ない人からも受信料徴収できることの感情的論拠として、「受信料支払い負担の公平性」をあげる人がいます。つまり、「NHKを見ようが見まいがちゃんと受信料を支払っている人がいるのだから、支払わないのは払っている人との間で公平性に欠ける!」という理論だ。
しかし、公平性が大事だと言うのなら、NHK受信料を支払った人だけがNHKを見れるようにするのが最も公明正大で公平な解決方法となる。そしてそれはスクランブル放送という今の技術では簡単にできる方法で実現が可能なのである。
ところが、公平性だ大事というNHKは全くスクランブル放送を検討しない。
それはなぜか?
答えは簡単で、スクランブル放送にしたら、「NHKが見れるんだから受信料払ってよ!」という受信料徴収の常套文句が使えなくなるからです。
つまり受信料収入が減る。要は「受信料の公平負担」よりも「金」が大事ということです。
そりゃ、NHK職員の破格の給与を考えたら、今の待遇(高給)をなんとしても守りたい!というのは人間としてはやむを得ない心理状態といえるかもしれません。
ただし、それを許すかどうかは別の問題です。
中小企業の労働者がストレスを我慢し、体を摩耗しながら働いても、NHK職員様の半額以下の給与です。
3 そもそも法律自体の合理性を考察すべき時
法律なんだから合理的なのは当然でしょ!と単純に言えるというとそれは違います。なぜなら法律というのは、国会で議決された時、つまり法律ができた時代に合理性があったというだけで、その合理性が永遠に続くものではないからです。
時代とともに人々の生活は大きく変化していきます。昔に作った法律が現代において合理性を失なったため、改正された例などいくらもであります。
NHKの受信料徴収の元になっている放送法は、戦後まもなくで、情報メディアがテレビがラジオしかなかった時代にNHKの発展保護を汲んだものです。
今の時代と国民の生活態様が違う、NHKに求められる役割も今とは違う。そんな昔の法律が今の時代に妥当な内容なのか?大いに議論・精査するのは必要なことでしょう。
4 時代はインターネット放送に遷移。ネットとNHK受信料はどうなる?
メディア放送はテレビ主流の時代からすでにインターネット中心に移っています。
テレビを持たない家庭が増加し受信料収入が減る一方になれば、インターネットでもNHKの放送を流して、「ほら、あなたPC持ってればNHK見れるでしょ?受信料払って!」という方向をNHKが画策してくることはまず間違いないでしょう。
現時点の放送法の規定の文理解釈では、インターネット接続は「放送を受信できる機器を設置」に該当しないと解釈されています。そのため、「テレビが無くてもパソコンがあるなら受信料払え!」という手法はNHKは使えません。
規定文言のを拡大解釈をする方向にNHKが圧力をかける可能性もありますが、それは世論の反発が強すぎるので、NHKとしては、法律の改正でインターネットにも受信料課金できるよう動くでしょう。
その時が、国民のNHKへの判断の最初にして最後の最重要局面となるでしょう。
NHKと癒着している政治団体がNHK優遇法案を通すのを黙って見過ごすのか?
国民のNHKへの疑義・不信の意思表示として平和的な集団示威行為(デモ行動)を起こすのか?
まさに、最後は国民が試されることになるのです。
※デモ行為は憲法21条が認めている重要な国民の権利です。
5 NHKへの国民からの信頼性
こうして書いてきたNHK受信料問題のあれこれも、そもそもNHKがその設立時の理念を全うし公益放送として国民から信頼され愛されている組織なら、まず起きない問題だっただろう。
ところが、実際は自己満足のために、半税金とも言える受信料をばら撒いて流行りの芸能人を使ったバラエティ番組を制作して不信を買ったり。
受信料を減額して国民に還元できるのに、自分たちが贅沢に使うため、豪華な設備を満載したNHK庁舎の建て替えを行ったり。
受信料の取立てを外部の業者に委託し、契約取り付けの高いインセンティブを付けて不穏当に強引な契約をさせる事態を招いたり。
そして、公益のための組織なのに正当性を疑うほど高収入の職員たち。
これで、国民から信頼される選ばれた公益放送主体といえるんでしょうか???
みなさんは、どう考えますか。
【NHKに関する数々の疑義点】
●受信料徴収の制度は今の時代不合理ではないのか?
●NHKの番組作りは、公益放送という理念を忘れていないか?
●NHK職員の異常に高い給与の正当性は何なのか?
●公益放送なら、予算が余るなら受信料を値下げして国民に還元するべきでは?(入った収入は全部自分たち使い切らないともったいないの?)
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